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2024/04/16

「偶然」は「良き機会」(mini column(2))

【セレンディピティ(Serendipity)】

 

セレンディピティ(Serendipity)とは
「予期しない偶然や偶発的なできごとが良いことや幸運につながること」
「偶然、ほかの良いことを起こすこと」
そして、「幸運な偶然を手に入れる力」を意味する言葉です。

英国の小説家・政治家、ホレース・ウォルポール(1717-1797年)の造語で、
『セレンディップと3人の王子(The Three Princes of Serendip)』という童話が語源です。

 

予期しない行動や偶然の出会いから、
今までの常識や定説を大きく覆すような新しいアイデアや解決方法が見つかったりすることを指します。

バイオテクノロジーの世界的権威であった
村上和雄氏(1936-2021年)の著書『アホは神の望み』から
「Serendipityを呼ぶ3つの条件」を以下紹介します。

 

Serendipityを呼ぶ3つの条件

 

(1)素直で注意深い目
目の前で起こっている事態や変化を先入観や偏見なしでまっすぐ、
しっかりと見つめること。予期しないことが起こった。
だからダメだと否定してしまうのではなく、その現象を素直に、注意深く観察することが大切。

 

(2)ムダを尊ぶ心
できる人ほどムダや非効率を嫌いますが、研究とはもともと壮大なムダの集積でもあります。
だから、ムダをムダとして排除してしまわないで、
失敗しても、あきらめずに繰り返しやりつづける忍耐力やネバリ強さが必要です。

 

(3)その失敗や間違いから「何か」を見出し、つかみとる力
このとき大切になってくるのは勘です。
失敗事例の中に何かを嗅ぎとる直感やひらめきです。

 

 


【プランド・ハプンスタンス・セオリー(Planned Happenstance Theory)】

 

米国の教育心理学者クランボルツ(John.D.Krumboltz/1928-2019年)は、
偶然の出来事の影響を無視したり、過小評価したりするのではなく、
それらの持つ重要な役割を認識し、
それらを積極的に生み出すことを説いた「プランド・ハプンスタンス・セオリー」を
1999年に発表しました。

 

偶然の出来事は、人のキャリアに大きな影響を及ぼし、
かつ望ましいものであると主張し、
予期せぬ出来事をキャリアの機会と捉えることができるとき
その出来事を「プランド・ハプンスタンス」と呼ぶことにしたのです。

 

クランボルツは、「偶然の出来事」を「プランド・ハプンスタンス」に変えるには、
次の5つのスキルが必要だとしています。

 

1.好奇心(Curiosity):新しい学びの場を模索せよ。

2.持続性(Persistence):失敗に負けずに努力し続けよ。

3.柔軟性(Flexibility):姿勢や状況を変えよ。

4.楽観性(Optimism):新しい機会は必ずやってきて、それを自分のものにすることができると考えよ。

5.冒険心(Risk-taking):結果がどうなるか見えない場合でも行動を起こせ。

 

 クランボルツは、キャリアコンサルタントは、
クライアントがこの5つのスキルを身につけ、
偶然の出来事をキャリアの機会として利用できるように支援することが大切であり、
それがクライアントの人生の質を高めると述べています。

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