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コラム

2024/12/17

英国初上陸(blog No.013)

(A)リバティ

今日は英国初上陸の話だったよね。

 

(B)オヤカタ

関係会社C社からの「買収提案」のための英国出張です。
目的地はC社のあるリーズ(北イングランド)。
なんとリーズ到着までに30時間以上かかりました。

 

(A)リバティ

船で行ったの?

 

(B)オヤカタ

まさか、飛行機ですよ。途中で寄るところがあって、時間がかかってしまいました。

まず、東京から香港へ。
出向していた会社の仕事をした後に、ヨーロッパへ行くことにしました。
フライトは、香港 ⇒ パリ ⇒ ミラノ ⇒ ロンドン ⇒ リーズ・ブラッドフォード空港です。

香港での仕事を終え、夜行便の出発まで間に香港に駐在していた後輩K君のレクチャーを受けました。
K君は香港の前2年間、C社に派遣されていました。
業績不振おちいっていたC社の社内状況を把握するためです。

K君は、「組織構成と人物評価表」を用意してくれていました。
彼の説明は詳しく、のちにとても役に立ちました。
お礼してから、香港・九龍空港へ向かいました。
22時過ぎ出発のパリ行きキャセイ航空便です。パリ・シャルルドゴール空港までは13時間。
朝、パリについてから、ミラノへ移動しました。パリからミラノまでは1時間半ほどでした。

 

(A)リバティ

パリからミラノ?イタリア・ファッションの買い物?

 

(B)オヤカタ

だったらいいけどね。
ミラノにはMITSUI ITALYがあり、そこの社長、Sさん(繊維部門出身)は欧州全体の繊維課の監督でもあります。
MITSUI UKの取締役、Iさんもロンドンから来ていました。
ミラノ店社長室でS社長、I取締役、ミラノ店繊維課GMとの事前ミーティングです。
Iさんは非鉄金属部門出身でロンドン繊維課の監督もしています。

初めてお会いしたIさんの言葉を思い出します。

「君がムラタ君か。インボイス(赴任前の人事書類)の写真とずいぶん違うな。もっと若々しいと思っていた」です。

人情派だが仕事にはとてもキビシイと聞いていました。
その言葉に、「スミマセン。まず顔洗って、髭そりたいのですが・・・」とお願いしました。
すかさず、S社長が社長室のバスルームを使うようにいってくれました。
顔を洗い、髭をそり、シャツを着替えました。
ちょっとはシャッキとしたと思います。

詳細はリーズに行ってみないと分からないので、社長室でのミーティングは短く終え、近くのイタリア料理店に移動しました。
ワイン好きのIさんを筆頭に本場イタリア料理とワインを皆さんは楽しみました。
目的地まで、まだまだの僕はあまり楽しめなかったですが…。

S社長から、「ムラタ君、よく見てきなさいよ」と励まされて、ミラノ・リナーテ空港に向かいました。

 

(A)リバティ

リーズは遠いね。

 

(B)オヤカタ

そうだね。次は、ミラノからロンドン・ヒースロー空港です。
ヒースロー空港、国内線ロビーでリュウ君と審査部のマス君が待ってくれていました。
I取締役まじえ、4人でリーズに向かいます。

ヒースロー空港を午後8時過ぎに離陸、1時間弱でリーズ・ブラッドフォード空港に到着しました。
小さなローカル空港でした。
ターミナル出口でBryanとDerekが迎えてくれました。
“Hello Mr.Murata, Welcome to Leeds!”

やっと英国に着きました。
ロンドンではありませんが、やっと英国の地を踏むことができました。

リーズ・ブラッドフォード空港
リーズ・ブラッドフォード空港

Bryanたちの車に分乗して、市内にあるホリデーイン・ホテルへ。
チェックイン後、ラウンジでの一杯を断り、部屋に直行しました。

香港の九龍空港から30時間が過ぎていました。とにかく今夜は眠りたい。
C社のことは、明日起きてからです。バタンキューでしたね。

 

(A)リバティ

お疲れさま!でも、翌日が本番だ。

 

(B)オヤカタ

「時差もあるし、ミーティングスタートは遅く」と、僕からはいえないからね。
朝早くC社に行きました。

やることは、次の3つです。

(1)買収しようとしている会社CAS社の「子ども服事業部」の責任者Mikeとの面談。

(2)CAS社が長年起用しているアジア縫製工場の社長、二人との面談。一人はインドネシアから、もう一人は香港からこのために英国に来てくれていました。

(3)社長Bryan、副社長Derekからの「買収案件」に関するプレゼンテーション&質疑。

そのあと、社内ツアー、オフィス(デザイン室、生産管理・技術室、営業チーム)、倉庫・仕上工場、食堂などを見学をさせてもらうことになっていました。

 

(A)リバティ

倉庫・仕上げ工場もあるんだ。

 

(B)オヤカタ

オフィスに隣接している倉庫・仕上げ工場は圧巻でした。
もとはスケートリンクだったらしく、広大でした。
そして、仕上げされハンガー保管されている大量の衣料品とたくさんの作業員。
これらを全部納品しないとお金になりません。
設備投資資金、人件費も半端でないことは一目瞭然でした。

 

(A)リバティ

へ~、簡単につぶすことはできにゃいね…。
リーズでのミーティングの後は?

 

(B)オヤカタ

翌日、ロンドンへ移動しました。
CAS社の主要客先3社への訪問です。

買収話はまだ極秘なので、Bryan、Derek、僕にリュウ君の4人で小売りチェーン店購買部を訪問しました。

Bryanが
“まだConfidential(極秘)だけど、CAS社が手がけている子ども服事業部を傘下に収め、我われが供給しようと思っています。どう思いますか?”
とそれとなく尋ねました。

3社とも、
“今まで通り、良い商品をちゃんと納めてくれるなら、私たちは構わないわよ”
でした。

購買部の責任者はみな女性でした。
僕は横で「ふ~ん」と、聞いていました。

そのあと、小売りチェーン店のロンドン店をいくつか見て終了しました。
BryanとDerekはリーズへ帰りました。

僕はホテルにチェックインし、夜行なわれるMITSUI UKチャーリー社長たちへの報告まで部屋で休みました。

夜の報告会は、チャーリー社長と審査部門GM、Kさんに僕とリュウ君の4人でした。

City(ロンドンの金融中心地)にある高級和食店で行なわれました。

「日本食!」「すてきなお店だ」と思いましたが、僕にとって肝心なことは、社長とKさんに如何に報告するかです。

チャーリー社長の質問はシンプルでした。

「ムラタさん、どうでしたか。どう思いましたか?」

僕は正直に、
「今回、会った関係者(Mike、アジア工場社長、主要客先担当者など)から、〝何か変だなと引っかかるモノ″はなかったです」
と答えました。
あと、「CAS社の責任者Mikeは良さそうな感じです。Bryanたちより一世代若いですし」
と話しました。
Mikeは僕の3歳年上、41歳でした。

 

(A)リバティ

へ~、それでチャーリー社長の反応はどうだったの?

 

(B)オヤカタ

その場では、言葉にしなかったですが、
「そうか。やってみるか。でも、これがラストチャンスだよ」だと思います。

翌日、僕は日本に戻りました。

最終的に本店繊維本部も承諾し、買収は実現しました。

僕はそれから3ヵ月ほどして、正式にMITSUI UK ロンドン店に着任しました。

このときは成田空港からの直行便で行きましたよ。
ロンドンヒースロー空港には12時間ほどで着きました。

 

(A)リバティ

それは良かったね。そのあとC社はどうなったの?

 

(B)オヤカタ

長くなってしまったので、次回話しますね。Lauraも出てきます。

 

(A)リバティ

OK、ここまで来たら、結末も聞かせて。

 

(B)オヤカタ

ありがとう。では、次回BLOGで!

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