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2024/09/25

フロイト終の棲家 (blog No.08)

(A)リバティ

オヤカタ、前回のブログからだいぶ日にちがたってしまいましたね。
英国ツアーの話をしてくれることになっていたと思うのだけど・・・

 

(B)オヤカタ

ゴメン、ゴメン、いや~、4カ月以上、ご無沙汰していました。
言い訳すると、「大人塾の開講」でドタバタ、酷暑でバテバテでした。
残暑はまだ続くみたいだけど、ブログ再開しますね。よろしく!

 

(A)リバティ

えーと、たしかビジネスマンを卒業してから16年経ったわけですよね。
その間に英国に行く機会はあったのですよね。

 

(B)オヤカタ

はい、今から13年前になりますが、2011年に行きました。東日本大震災の年の夏です。
フロイトも出てくるので、そのときのことを話しますね。

 

(A)リバティ

え~、ベラ・フロイドに会いに行ったのですか?

 

(B)オヤカタ

いやいや、違います。ベラではなく、ジークムント・フロイトの家を訪ねたのです。

心理の勉強を始めて3年目のときです。英国に行く機会があったらフロイトの家に必ず行こうと思っていました。

 

(A)リバティ

へ~、フロイトの家はどこにあるのですか?

 

(B)オヤカタ

ロンドン北西部のハムステッド(Hampstead)にあります。
僕はロンドンの南に住んでいたので、この辺りにはあまり来ませんでしたが、閑静な高級住宅地です。

英国に行った目的は3つありました。
一つ目は、娘の大学卒業式に参加すること。
二つ目は、「ノスタルジック・ツアー」 1994年から1998年まで3年半を過ごした思い出の地やお世話になった英国の友人たちを訪問すること。
三つ目は、フロイトの家など、行きたかったけど、行けなかった地へのドライブツアーです。

 

(A)リバティ

へ~、ドライブツアー、どこへ行ったのですか?

 

(B)オヤカタ

17日間、3,800キロの旅をしました。
娘をナビゲーターにして出発、途中で奥さんもジョインしました。

 

(A)リバティ

え~、3,800キロも走ったの?

 

(B) オヤカタ

車の運転は好きなので、ずっと一人で運転しました。
距離にすると、本州(青森県北端から山口県西端まで)が約1,400キロだから、本州を1.4往復ですね。
スタートは、ロンドン・ヒースロー空港。
レンタカーを借りて、市内で娘をピックアップしてから、フロイトの家に直行しました。

前回のブログmini column(3)に書いたようにジークムント・フロイトはナチスの迫害を逃れ、ウイーンからロンドンに亡命したのですが、1年3ヵ月後、1939年9月に亡くなってしまいました。

フロイトが亡くなったあと、1982年まで家族が住み続けたそうですが、1986年に「フロイト博物館」(Freud Museum London/20 Maresfield Gardens London NW3 5SX)として一般に公開されることになりました。

亡くなるまでクライアントの精神分析治療を行なっていた部屋などが当時のまま残されています。

 

(A)リバティ

へ~、どんなおウチでしたか?

 

(B)オヤカタ

立派なデタッチドハウス(Detached House/英国では一軒家をこう呼びます)

フロイト博物館
フロイト博物館

 

1・2階ともに展示場になっています。
1階の執務室に入ると、フロイトが使っていた大きな「カウチ」(寝椅子)が目に入ります。
長年多くのクライアントが横たわってきたカウチです。

フロイトは、クライアントに頭に浮かんでくることを自由に話させ、その内容を分析しながら、クライアントの精神的問題を解決する「自由連想法」という心理療法を行なっていました。
フロイトはクライアントの視界に入らないように、カウチの左側にある椅子に腰かけ、クライアントの自由連想に耳を傾けました。

亡くなる直前まで、一日に4人のクライアントを診ていたそうです。正にこの場所で、精神分析を行なっていたのですね。

あと、執務室で印象的だったのは、書斎にあるたくさんのアンティーク・コレクションです。

二千点以上に及ぶそうです。
古代エジプト、ローマ、ギリシャの他、中東や中国の骨董品が、書斎の隅々に飾られていました。

書斎
書斎

 

フロイトは、心理学の領域のみならず、多くの文化人にも影響を与えました。
シュールレアリズム画家のサルバドール・ダリ(*mini column(5))もフロイトを崇拝していた一人で、彼の絵画の多くは、フロイトが提唱した「夢分析」という、無意識を表面化させる手法を用いて描かれました。
フロイト博物館の二階には、ダリが1938年にフロイトを訪れた際に描いた肖像画があります。

ダリが描いた肖像画
ダリが描いた肖像画

 

ペンとインクで描かれたこの肖像画は、フロイトの迫りくる死を感じさせると言われています。

そのほかに印象的だったことは、フロイトの家に来ていた多くの若者たちです。ヨーロッパ諸国から心理学の学習の一環として訪れていたのだと思います。

最後に、フロイトと末娘アンナ・フロイトのポストカードを買いました。

フロイトと娘アンナ
フロイトと娘アンナ

 

この二人の姿、とても好きです。

今回娘と二人でドライブツアーできたのはとてもいい思い出です。
フロイト父娘のように同じ仕事はしていませんが・・・。「また、ナビゲーターをしてくれるかい?」って、娘に聞いてみます。
断られたら、リバティにお願いしよう。

 

(A)リバティ

ぜったいムリ!ワタシはオフィスから出でるのはイヤです。

 

(B)オヤカタ

そうだったね。ゴメン、そこがワンちゃんと違うところだね。

 

(A)リバティ

でも、フロイトのことをもっと知りたくなりました。

 

(B)オヤカタ

ありがとう。フロイトの精神分析理論や人となりは実践心理学/大人塾で取り上げているから、ぜひ参加してみてください。

フロイトが開祖の精神分析療法は、現在、非常に限られた専門家にしか実施されていません。しかし、精神療法の原点の一つです。
フロイトに影響を受け、弟子としてスタートし、あとでたもとを分かち、独自の精神療法の構築・実践を行なったユングアドラー実践心理学/大人塾で取り上げていますよ。

はい、フロイトはここまでです。
次回からは、「英国ノスタルジック・ツアー」です。

写真を交え、紹介してみたいと思います。
いざ、UKへ!

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