
2025/04/24
「ジョンの魂」~ジョン・レノンが残したもの~(blog No.17)
(A)リバティ 今日はジョンが残したものについて、オヤカタの想いを聞かせてもらうんだったよね。 (B)オヤカタ そうだね。 まずは、ビートルズの4人の中で、僕がなぜジョン・レノンを一番好きになったのか、その…
2025/04/24
(A)リバティ
今日はジョンが残したものについて、オヤカタの想いを聞かせてもらうんだったよね。
(B)オヤカタ
そうだね。
まずは、ビートルズの4人の中で、僕がなぜジョン・レノンを一番好きになったのか、その理由から話しましょう。
僕がビートルズのアルバムを聴き始めたのは、中学1年生のとき、1968年だから、ビートルズが解散する2年前です。
まず、僕はジョン・レノンの歌声には惹かれました。
リバティが好きなポールの高い音域の甘い歌声とは違って、ジョンの歌声はちょっと鼻にかかった艶っぽい声でした。
専門家も「ビートルズがブレイクするきっかけとなったのは、ジョンの声に負うところが大きかった」と評しています。
次の理由は、歌に込められたメッセージ性です。
そして、一番の理由は、リーダーであったビートルズ時代から解散後の言動など、彼の「人間性」に魅力を感じていたからだと思います。
10代の僕にとって、ジョンはとてもカッコいい「大人」でした。
(A)リバティ
オヤカタの10代、想像できないけど・・・。どんな時代だったの?
(B)オヤカタ
50年前の話だからね。でも、ちゃんとあったんだよ、僕にも青春時代が。
カッコつけていえば、あの時代は「若者たちのエネルギーが爆発し、新たなカルチャーが生まれた時代」といえるかもしれないね。
(A)リバティ
へ~、いいじゃない。自分たちの過去をよく思えて。
(B)オヤカタ
ちょっと思い出してみよう。
日本は高度経済成長の真っただ中で、物質的にはどんどん豊かになっていきました。
でも、世界はそう単純じゃなかったです。
東西冷戦は続き、アメリカはベトナム戦争の泥沼にはまり込んでいました。
戦場から戻った帰還兵たちの多くが心を病み、麻薬や若者の自殺が社会問題になりました。
日本でも、テレビを通じてベトナム戦争の悲惨な現実が目の当たりにされ、反戦運動が盛り上がっていきました。
そうした中、多くの若者が「物質的な豊かさだけじゃなく、本当の幸せとは何か?」を考え始め出したと思います。
大学紛争、学生運動に挫折し、政治から離れていく若者が増えましたが、若者たちのエネルギーは革新的な音楽やファッション、自由や平和、背伸びした映画や文学、そして恋愛などに費やされていったと思います。
良かった面だけを思い出せば、こんな時代だったと思います。
(A)リバティ
なるほどね。そうやって新たな若者文化が生まれたんだ。
そして、ジョン・レノンたちは若者のアイコンになったってことでしょ。
(B)オヤカタ
リバティ、鋭いね。その通りだよ。
(A)リバティ
秘書歴、もうすぐ7年になるからね。
(B)オヤカタ
さて、ジョン・レノンの話に戻りましょう。
1970年にビートルズが解散してから、ジョンの音楽はメッセージ性をさらに強めていきました。当時のロック・ミュージシャンの多くが社会的なメッセージを発信していました。
しかし、ジョンの曲には「強さ」だけじゃない「普遍性」があったと思います。
そして、ジョンの「人間性」ですが、今思うと、「権力や体制を恐れない裏表のなさ」、「本当の幸せを追い求め続ける姿勢」、「過激な言動の裏にある愛情やユーモア」、そして何よりも、「苦しみや葛藤の中でもがきながら、自分の信じる道を進もうとするリアルな人間」だったところに、僕は惹かれたのだと思います。
(A)リバティ
なるほどね。何となく分かったような気がする。
(B)オヤカタ
言葉で表現するのは難しいね。そこで、ジョン・レノンの楽曲を3つ紹介します。
『Mother』、『God』、『Imagine』、いずれもビートルズ解散後の作品です。
このあとの Mini Columnに「歌詞」(英文・和訳)と僕なりの「解釈」を掲載します。
「楽曲」をぜひ聴いてもらいたいですが、「歌詞」だけからもジョンの魂のようなものをつかみ取ってもらえればと思います。
『ジョンの魂【1】「Mother」(mini column(7)』
『ジョンの魂【2】「God」(mini column(8)』
『ジョンの魂【3】「Imagine」(mini column(9)』
をご覧ください。
また、みなさんの子ども時代、青春時代にタイムスリップするのもおもしろいと思います。
(A)リバティ
「大人塾」で取り上げた「アートセラピー(芸術療法)」でも、そういうことやったね。
(B)オヤカタ
そうだね。先日の「実践心理学/大人塾」では、「アートセラピー」として、ぬり絵を使っての「色彩療法」や粘土を使っての「遊戯療法」を体験してもらいました。
「音楽療法」も取り入れてみたいと思います。
(⇒「実践心理学/大人塾」のページをご覧ください。)
(A)リバティ
ところで、私の好きなポール・マッカートニーの話は?
(B)オヤカタ
そうだったね。ビートルズ解散後のジョンとポールの歩みについて話してみます。
まず、ジョンは1969年に「プラスチック・オノ・バンド」を結成し、シンプルで内省的な音楽へと向かい、社会的・政治的なメッセージがより強くなりました。
虚構を脱ぎ捨て、自分の真実を表現したといってもいいかもしれません。
一方、ポールは1971年に「ウイングス」を結成し、ポップでメロディアスな楽曲を中心に、ライブパフォーマンスを重視しました。
妻リンダを交え、家族的な雰囲気のバンドにしていきました。
ポールもビートルズ後期の重圧から解放され、音楽をより楽しみたかったのかもしれません。
なお、ポールの父親は音楽経験者で、ポールに小さいときからピアノを学ばせたそうです。
ジョンと同じように母親を早くに亡くしますが、安定した家庭環境で少年期を過ごしました。
ジョンとポールは、家庭環境も性格もまったく異なりましたが、だからこそ、レノン=マッカトニー(共同名義)による数えきれないほど多くの名曲が生まれたのだと思います。
(A)リバティ
「違いを認めあい、お互いをリスペクトする関係」だったからだね~
(B)オヤカタ
リバティ、いいね。締めのことば、ありがとう!
ビートルズの名曲が、「個性(多様性)と協力(連帯)の重要性」を象徴するものとして語られていけばいいなと思います。
さて、リバプールはここまでです。ノスタルジック・ツアーは、このあとヨークシャーへ出発します。
最近のコラム一覧
2025/04/24
(A)リバティ 今日はジョンが残したものについて、オヤカタの想いを聞かせてもらうんだったよね。 (B)オヤカタ そうだね。 まずは、ビートルズの4人の中で、僕がなぜジョン・レノンを一番好きになったのか、その…
2025/04/24
世界中の人に知られるジョン・レノンの代表作『イマジン』です。 1971年に発売された同名のアルバムに収録されています。 歌詞は、国家や宗教や所有欲によって起こる対立や憎悪を無意味なものとし、曲を聴く人自身もこの曲のユート…
2025/04/24
『Mother』とともに、ジョン・レノンの1stアルバム「ジョンの魂」に収録されている曲です。 解散問題で4人の関係が大きく揺れ動いていたとき、ヨーコの薦めでジョンは原初療法(*)という精神治療を受けました。 『God』…