2024/12/26
Wishes come true<その3/最終>(blog No.14)
(A)リバティ ロンドンに着任してからの問題会社C社はどうなったの? (B)オヤカタ 駐在期間にC社はどうなったかを話します。そのあと、Lauraのことです。 MITSUIの承諾を得て、CAS社子ども服事業…
2024/12/26
(A)リバティ
ロンドンに着任してからの問題会社C社はどうなったの?
(B)オヤカタ
駐在期間にC社はどうなったかを話します。そのあと、Lauraのことです。
MITSUIの承諾を得て、CAS社子ども服事業部の買収は実行されました。
CAS社の責任者MikeがBryan、Derekの経営に徐々に参画していきます。
僕はCAS事業の実態を把握するとともに、MikeたちがC社にうまく溶け込むかをモニター。
CAS社から来たスタッフとC社生え抜きスタッフはうまく融合していきました。
主要客先向けには、紳士服と子ども服の両方を供給します。
相乗効果が販売・生産両面で生まれました。子ども服生産に起用してきたアジア工場には紳士服の注文も出しました。
注文量が増えることによって、コスト・品質もさらに向上しました。
買収1年後、C社の業績はかなり良くなりました。
3年後には累損解消の目途が立ち、MITSUIの収入も大幅に増えました。
僕は買収後、3年半経つ1998年3月に日本に帰任するのですが、C社の経営に対するオプションが増えた状態で、T先輩にバトンタッチすることができました。
(A)リバティ
めでたし、めでたしですね~
(B)オヤカタ
そうだね。
ただし、株主間協定の条件改定やMikeたちとの関係構築、倉庫・仕上げ部門のリストラ、社員の不祥事解決など、MITSUI側Directorとして、キビシイことを要求したり、Bryanたちと粘り強く交渉しなくてはならないことも多々ありました。
また、長年生産業務を請け負ってきてくれたMITSUIアジア店に対する金銭補償も行ないました。
身内同士のことだけに神経を使いました。
(A)リバティ
ふ~ん、会社経営っていろんなことがあるんだにゃ。
(B)オヤカタ
そうだね。
子ども服事業部「買収」という(ラスト)チャンスが、『当たりくじ』で、C社は蘇生し、新たな成長過程に入っていくことができました。
でも、会社は生き物です。
150名近くの従業員を抱える衣料品繊維会社の経営は簡単ではありません。
株主、ファイナンサーとしてだけでなく、MITSUIとしても経営に関わり続ける必要がありました。
僕は、徐々に良くなっていく“変化やプロセスが仕事の面白さ”と思っているので、苦労とは思わなかったけど、仲間が絶対必要ですね。
いい仕事は自分ひとりじゃできないから。
(A)リバティ
会社(Company)の語源は「仲間」にゃんでしょう?
(B)オヤカタ
よく知ってるね。
Companyは、ラテン語の「com(共に)」と「panis(パンを食べる)」がくっつき、仲間を現す「-y」がついたコトバ。
“一緒にパンを食べる仲間”という意味に由来するんだよ。
(A)リバティ
ここからLaura再登場ですね。
(B)オヤカタ
よくわかるね。そうなんだよ。
以前、リュウ君の日本帰任が決まり、C社の経営については、Lauraに手伝ってもらうことにしたと話したよね。(blogNo.11)
C社では月1回の役員会があります。
BryanとDerekに財経担当Johnが出席します。
MITSUIからは、僕とリュウ君、案件によっては、審査部のManagerがサポート参加してくれました。
リーズで行なわれるため、一泊二日の出張になります。
Lauraは家庭のことがありますが、“毎回同行しますよ”といってくれました。
彼女いわく、
“C社の経営問題で頭を悩ます日本人GMをずっと見てきました。Bryanたちのこともよく知っています。ぜひ、行かせてください”です。
僕も英国の仕事には大分慣れてきましたが、英語でのタフな交渉は簡単ではありません。
英国人同士が早口で話しだすと聞き取れないことがよくありました。
Bryanはとても分かりやすい英語を使いました。
しかし、利害が反するような交渉では、言葉のウラにあるホンネを察する必要があります。
“Bryanはこういっていたけど、ホンネはどうなんだろうかな。
僕はこう思うのだけど”と、Lauraによく尋ねました。
彼女は、“彼は○○と思っているんじゃないかな。私にはそう伝わってきた”と意見してくれました。
“そうだよね。言葉通りには受けとめられないね”といった会話をしました。
Lauraとのコミュニケーションはすべて英語です。彼女は日本語を話しません。
でも、肝心なことはお互いに分かり合えました。
一種の「コミュニケーション」のおもしろさじゃないでしょうか。
現在の心理職の仕事(心理カウンセリング、キャリアコンサルティング)にも相通ずるものがあります。
(A)リバティ
オヤカタはネコ語を話せないよね。ワタシは日本語なんとなくわかるけど。
言葉だけではにゃいんだね。
ところで、Lauraのオフィスはどんなだったの?
(B)オヤカタ
そうそう、それを話さなくては。
オフィスはとても広く、すてきでした。
13年前ですが、在宅勤務ありです。
訪問したときは夕方だったので、スタッフは8名ほどでした。
でも、54人もスタッフ登録しているとのことです。
Lauraのコメントを紹介します。
“地元の若者たちを採用している。ロンドンには出ていけない若者が多い。ここ(LPC)で働き、自信をつけ、やる気が出てきたら、ロンドンで働くことを勧めたりもしている。自分もこの町で育ち、ロンドンに出るのは最初とても不安だった。推してくれる人がいて、ロンドンのMITSUIに飛び込こんだ。そして、たくさんのチャンスと経験を得ることができたので”
彼女は、育ったこの小さな町で若者たちの“インキュベーター”(育成・サポーター)もしていました。
(A)リバティ
Laura、いいね~
(B)オヤカタ
「こうしたい、こうありたい」という想いを持ち続けたからじゃないかな。
すると、やりたいことに近づいていくと思うよ。想い続けること、そして、コトバにすることが大切なんだと思うよ。
(「想いをコトバにする事が大切」:NLPのワーク「良くまとめられたゴール」をご参考に!)
(A)リバティ
Wishes come true !(想いは叶う)ですね。
ワタシもいつか「秘書から社長さんに!」っていう想いをPOMに来られる方にニャンニャンいおう。
(B)オヤカタ
そうだね。リバティ、その調子で!応援するよ。
さて、ビジネスの話はここまでです。お疲れさまでした。
オフィス見学のあと、Lauraが声かけてくれた昔の仕事仲間たちとパブ・レストランで、飲んで、食べて、ワイガヤしました。楽しかったです。
さて、ノスタルジック・ツアーは、このあと、「ビートルズに会いにリバプールへ」です。
楽しみにしてください。
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